1輪の薔薇になる。誰もが誰かの特別な人。

1輪の薔薇になる。誰もが誰かの特別な人。

私、赤い薔薇が好きなんだけど、
薔薇が好きだからって
ロマンチストでもないし、
情熱的なタイプの人間でもない。

私が好きなのは、
美女と野獣のあの呪いのバラと
この本、【星の王子さま】にでてくる1輪の薔薇。

そういったらわかるかもしれないけど、
結局わたしが好きなのバラの花は
花そのものではなくて、
その花の背景になのかもしれない。

もちろん見栄えも香りも好きだけど
物語のなかでバラが担っている役が魅力的で、
私の心の深いところに
何か愛というか強さみたいなものを訴えてくる
その感じがなんか好きで。
ついそのバラの虜になったという感じ。

物語のなかでのバラ、
魅力と儚さが表裏一体な感じがして
それが両者をよりいっそう引き立たせていると思う。

話を戻すけど、
正しい表現にすると
私自身がその1輪の薔薇みたいに想われたい
っていう憧れが強いんだろうなって自覚がある。

王子様が星を見上げるのが好きな理由は、
その星空のどこかに自分の愛する
1輪の薔薇がいると知っているから。
庭に咲き乱れる多くのバラではなくで、
自分が時間をついやして大事に世話をした
その1輪のバラが特別なのだ。

ただ、世話をしているときには
それに気が付いていないか、
気が付いていても重要視できない。
触れる距離にいるときに素っ気ないくせに、
離れてしまうと不安で心配になる。
当たり前は、なくなってはじめて
その大きな存在を知らしめる。

ただ、王子様の”らしい”ところは
心配になっても
寂しくなってもそれを美しく捉える
キレイな無垢な心があることだ。

この本【星の王子さま】は、
誰かの特別になりたい
っていう思いを持たせてくれるし
同時に誰かをそんな風に想いたい
とも思わせてくれる。

それに、
別れの寂しさを悲観的に捉えないで
幸せの種にする方法を教えてくれる。

別れてその人と会えなくなっても、
今まで見た景色が違う意味をもち
私たちに新たな感情を与えてくれる
ってそんなギフトが与えられたことに
気が付かせてくれる。

ただ通り過ぎていた黄金色の麦畑が
王子様の柔らかい金髪を思い出させ
愛おしい空間となる。

王子様のいたずらでありプレゼント。

大人にはわからない。
大人は数字が好きだし、
目に見える事実が安心材料なんだから。
別れたら今までありがとう、さようなら。
それが大人。

王子さまは別れても
麦畑で心を和ませてくれるし
星空で笑わせてくれる。
永遠の付き合いがそこに残る。
だから寂しいけど、寂しくない。

自分が大人かどうか知りたくなったら、
自分がまだ大事なことを忘れていないか
確認したくなったら、
ぜひこの本を開いて読み進めたら良いと思う。

きっと途中でハッとするから。

そして、
思い出して心がポカポカしてきたら
また日常に戻って
ニコニコ豊かに暮らせばいい。