旅は人生を変えるのか。
『旅は人生を変える』
よく耳にするフレーズだと思いますが、
スグに納得できますか?
旅するという言葉で最初に浮かぶものって、
時間がかかる・お金がかかる・行動力がいる
<ゆえに、すぐにはできない>
ではないでしょうか。
私もそう思っていたタイプです。
しかし、今回紹介する本は
その固定概念を解除する機会を与えてくれます。
【サラリーマン2.0 -週末だけで世界一周】
著者の東松寛文さんは1987年生まれで
大学卒業後に広告会社に就職、
会社員として勤務を続けながら休日を使って
世界を旅した「リーマントラベラー」です。
2016年に世界一周を達成していて、
その経緯や方法、
彼の旅の捉え方が本に書かれています。
では突然ですが、
みなさん、なんとなく考えてみてください。
最近、一番楽しかったことは何ですか?
最近なにかを美しいと感じましたか?
なんでそんなことを聞いたかというと、
いい思い出って忘れこそしないものの、
わざわざ思い出す機会もあまりないからです。
思い出したとしても、
あの時ここへ行って何をした程度で
そのときの感動がよみがえってきて鳥肌が立つ
ってあまりないと思いませんか。
この本は、一番楽しかったことを
楽しいと感じた理由とか、
美しいものを美しいと感じた理由、
そういった少し深い部分を
なんとなく自分に問いかける時間をくれて
またその感覚を味わいに行こう!
っていう動機を与えてくれます。
私自身も旅は大好きで、
ソロでいくことが多いです。
多くの場合、適当な宿をとって
周辺の面白そうな施設やグルメをチェックし
そこで出会う人々や自然の景色に癒されて
「あぁ、今回も良かったな」
って帰路につきます。
私の初めての1人旅は、
自分を変えたいという気持ちと
知らない世界とまだ見ぬ自分への好奇心が
私を動かしたのを覚えています。
著者の東松さんの場合は、
たまたま念願のNBAの試合のチケットが
手に入ったことから始まっていますが、
そこで経験したことが彼に好奇心を与え
彼の行動力は増していきました。
やはり、好奇心というものは
人を動かす強い原動力になるのでしょう。
(ちなみに彼がどうやって週末だけで
世界一周を成し遂げたのかも要チェックです☆)
で、
本の中で彼は、
『旅そのものは「自分探し」ではなく、
自分探しのための材料を集める手段、
いわばその前段階なのだ』
といっています。
これを読んだとき、なぜか私の心が軽くなりました。
曇りガラスの窓を開けてもらったときの
スッキリ感のように、
なにかが突然明瞭になったのを感じましたね。
私は今まで、
旅に出ることは新しい何かに出会うこと、
それは人でありモノであり自分の感情でもあって
その発掘作業自体が【自分探し】だと捉えていました。
なので、帰路はいつも少し寂しい気持ちで
旅の良かった点を振り返っては、
エネルギー補充完了!また心機一転頑張ろう!
なんて考えていたのです。
しかし、東松さんは、
いつも帰りの機内が1番ワクワクする
といっています。
もともと時間的な余裕が全くない中で旅をされ
最上級に楽しんだあとの機内です。
帰りたくないって少しネガティブになるものだと
予想していた私は
それを読んでビッックリしましたね。
彼が機内ですることは、
旅の経験やその時の感情を振り返って
【消化】することだそうです。
ただ考えるだけといえば軽く聞こえますが
その作業から、自分の強み・弱み、好き嫌いが
明確になっていきます。
私にはそのフェーズがすぽっぽり抜けていました。
同じ材料があっても
素材のままキープしていた私と、
その素材を活かして料理し、
もう一度楽しむ東松さん。
人としての成長スピードや人生の満足度に
差が生じるのはそこではないでしょうか。
その消化こそが、
自分探しなのだと気が付くことが出来ました。
自分をより深く理解すると、
さらに知りたいことややりたいことがでてきて
それをやらずにはいられなくなる・・
心の底からやりたいことがあれば
そのために時間を作り知恵を絞りますよね。
それが結果、
人生を変えるということなのだと理解できました。
そう思えるようになると、
自分発見が楽しみなり、
同時に旅の捉え方が少し変わります。
彼は主に海外に出ていますが、
正直その考えができればどんな旅でも同じように
人生は変えられるのではないでしょうか。
本を読めば、その方法もわかります。
目から鱗の彼の考え方で、
ワクワクしながら読み進められるこの1冊、
確実に自分も旅に出ようと思うようになると思います。
『人生を変えるためだと思わなくていい、
勝手に変わっていくのだから。』
ただその方法を知っていないと遠回りになる
ということを認識できたいい経験でした。
もっと早くに読めばよかったなーって思いましたね。
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